金沢市花園町 伊東家にて講師 二木 彩香

伊東家の昔の大きな柱と梁のある家の1室。

受講者8名。3名の方が着物を着ての参加。気持ちは「和」の世界に。始めに、「自分のカラダかここにある」ことの確認の体操から。
体、特に今日は手を使うと言う事で手のひら指先を特に丁寧に。軽く触ったり、パッティングしたり。


「体は、何もしていなくても呼吸している。」と言う事で、呼吸することを味わう。
「真人(しんじん)は、踵で生きている。」と言う事を話された。「人は踵で生きている。」とも。
「かかと」の下の大地に向かって、息を吐き出すようにすると、お腹の下の丹田(へその下)を締めてから、肩甲骨に向かって息が吐き出される。私事ですが、これは私がスキーをしている時も(年間の半分は滑っているので)、合唱で歌を歌っている時も同じなのです。

運針の仕草の中で、「先を見て」と言う事を言われた時も、「同じだ。」と思った。歌では、先の音を感じながら、そして大地を感じながら歌う。もちろんスキーも、先の先を見て、運動する。
「手と言う道具を、肩甲骨から持ち上げる。」という話をされました。それはそのまま「茶道」にもつながると思いました。無駄な動きを取り除き、研ぎ澄まされた所作。指ぬきを膝の前に置くところから始まる「縫う」という行為。手と言う道具を持ち上げる。人間の5本の指は、上の2本は摘まむ仕事、下の3本は軽く握り上の2本を支える仕事をしている。

針に糸を通さず、運針の練習。針を動かすリズムが、布の上で踊る。細かい中指人差し指親指がスムーズに動かないので、とてもぎくしゃくするが、それはそれで針が布の上を遊んでいるようで楽しい。でも、この基礎の運動が研ぎ澄まされると、また、本物が見えてくるのだろう。
その後の話し合いで、今後も毎月1回続けることとなった。今回は、新しい方が2名来て下さり、嬉しい限り。
毎月第一木曜日、同じ場所、同じ時間に。次回5月だけは第三の17日、津幡の日水花にて。運針を中心に、紐を作る事、そのために、みんなで着物を解体します。楽しみですね。

(文責 旭 泰子)