【12月読書会~人間の歴史・地球の歴史】

12月9日(土)
参加、会員3名、会員外1名。3ヵ月の子猫一匹。

今日もたくさんの本が集まり、その中から読みたい本を全員で指さして、指が多いものから読んでいくいつものやり方。

 ひとつめ。ギッシリのペンギンがこっちを向いているというインパクトある表紙の大きな写真集、そのタイトルも「環境破壊図鑑」。

5年生の息子さんの現在のお気に入りだそう。パッと開いて読んだのは「ムカシトカゲ」のぺ―ジでした。

 ニュージーランドにイギリス人が入植したとき持ち込んだ外来種その他の影響で、200年前に絶滅したと思われていたのが、2008年突如見つかった。

2億年だったか6000年だったか前から続く種で、名はトカゲだが、全く別の系統の爬虫類とのこと。恐竜の生き残り?カッコイイ姿。

遊び盛りの子猫かずやさんは本をおもちゃとすっかり思っているのかコロリンとページの上に転がる。
ムカシトカゲは300g~1kgとのこと、同じくらいの大きさだね・・・。

この写真集の副題は、「僕たちがつくる地球の未来」。

「地雷を踏んだ象」と「地雷を踏んだ人間」が並べられたページなど、美しくて迫力ある「野生」の生き物たちが「僕たちがつくってる現在の地球」でどのような姿になっているのか。今わたしたちはどんな地球の未来を創ろうとしてるのか。を写しだす。

写真の美しさ・迫力は、大自然に生きる可愛いカッコイイ動物を紹介する写真集と何らかわらない。
紹介文は事実を淡々と伝える。
この写真を見て、キミはどんな未来を想像する?
この写真を見てるあなた、あなたこそ、この現在と未来に対して何かができるんだよ。。。と、読者が目覚めてくれるのを願っているような写真集でした。

 「同時代の生き物」でなく、何億年も前から続いている生き物のページが出て来たことで、自分たち人間のいる位置、のようなことを考えました。

最近、「あらえびす」の東出さんから「もののけ姫」に秘められた室町時代までの日本の歴史のことを聞いたり、前々回の読書会で紹介された日本中世史家の網野善彦さんの本を読んだりして、アースフィールドでは歴史をどう学んでいくかを考えています。
その人間の歴史の底には、地球の歴史があるということ。

ふたつめ。「魂の扉ー12感覚」。第一回から継続して少しずつ読み進んでいる本。第四回目の今日は12感覚の第一、「触覚」の続きを数ページ。


触覚だけの生き物になったことを想像してみよう。
その時、触覚は私たちに外の世界のことは何も伝えない。

わかるのは、自分の「境界」だけなのだ・・・。
この「境界」を赤ちゃんはどう体験しているのか?
この身体の「境界」の感覚が、
後に精神の「自我」(=他者)の感覚になると感覚論は伝えています。

赤ちゃんのおくるみや足まで覆う抱っこひもの「覆い」はその「境界」の感覚を育てるもの。

ならば10歳の男の子には何をしてあげられるのかな?
学校に行っていないお子さんを持つ友人が必要以上に厚い毛布でくるんでいて外しどきがわからなくなっている気がする・・・など、身近な話もでました。

私が今年の夏、アントロポゾフィー医学の皮膚科の先生の講座で体験した小さなワークを紹介しました。自分の両手を合わせて、「境界」を感じとってみます・・・。これ、読書会に参加しなかった人も、やってみてください。
どんな感じがしますか・・・?

 宇宙(母体)と一体だったところから一人離れて。
再び、そこに戻ろうとする・・・そこに境界がある。
そのプロセスを音読していると(この本は私が音読しました)、聴いている人がそのことを想像し体験している空気がとても伝わってきます。
この本を、読書会で一緒に読むことの意味深さを感じました。
触覚については、まだまだ来月も続きます。

みっつめ。「ゲーテ的世界観の認識論要項(シュタイナー著)」。
ゲーテ。自然を人間の外のものとして見て色を分類するニュートン的な自然科学でなく、外にも内にも自然を持つ人間として「観察」する自然科学。

読んだページは「無機的自然」。
その後に「有機的自然」の項が続く。

一段落音読を聞いたけれど、最初の一文からチンプンカンプン。

ドイツ語の文の組み立てで書かれたものを日本語に直すとそれだけでかなり「難しく」感じる文章になるのでシュタイナーの著作は難解と言われるのですが。
それは「わかろう」とするからなのであって。

あらためて、一文いちぶん、何のこと言ってるのか、ちょうどその時飲んでいた「カップに入ったお湯」を例にしながら、こんなこと言ってるのかな・・・と読み進んでみました。

読み終わり、

「・・・・って言うのが無機的自然ってこと?」

と、理解したことをまとめたくなってしまう。

でも、それを禁欲して。

今読んだときの私たちの理解のプロセス、わかったこと、わからないけどこうじゃないかな?と自分たちで合意したこと、

その読んだプロセスを確認して終わりました。

「観察し」、「考える」。

無意識に自分の先入観で

「こういうもの」

と繫げて自明の事実としてしまっているようなを注意深く避けて、
ただ「観察する」ことで、事がらのほうから秘密をうちあける。

と、シュタイナーはよく本の中で言っています。

そのことを少しみんなと体験でき、普段「考えてる」と思ってるのとは違う歩みを、たどたどしく歩んでみた、赤ちゃんが歩き始めて数歩 歩いたときのような 満足感がありました。

 最後に、「ヨーガ・スートラ」。

パッと開いたのは「煩悩」のぺージ。この内容や、先のゲーテの認識論の続きで、人と出逢うときの先入観の話にもなりました。


 毎月、読書会を積み重ねていく。

とても地味な集まりだけど、

参加者の多い少ないに関わらず、場というものは育ち、深まっていくみたいです。

いつかカタチに成る学校の、大切で、はっきり捉えようもない核のところを温めている。

そんな静かな確かな感覚があります。

読書会、次回も第二土曜日、1月13日。
場所と時間もいつもと同じ、10~12時津端の日水花にて、参加費500円です。

さて、12月はあと2回クラスがあります!!

23日(土)
Earth Fieldクラス 「いろ・ことば」
午前10時~12時 会場:長土塀交流館

クリスマスのお祭り
午後15時45分~16時45分  会場:Life Community MEGLI

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