Earth Field 月イチ読書

《学校づくり》に関わる本をそれぞれ持ち寄って
「えいっ!」と開いたページを朗読する会です。

参加者は大人3名、中学生1名、幼児1名、猫1匹。学校や社会づくりに関わりたい人が集まります。

わたし(筆者)は今回が初参加。

「不思議と『今』必要な言葉と出会えるんだよね」
聞いていた通りのことが起こったのです、と
はじめにお伝えしておきましょう。

      

この日大雪の名残のある土曜日。会場の日水花さんは津幡の山のほうにあり次の寒波に備えて、駐車スペース確保と安全のために「みんなで雪かきしようか」と身体ワークからはじめました。(メンバーは体の使いかたを学んでいるので、雪かきも全然疲れないんですよ)

      

ひと汗流したあと、暖かな室内で読書会がはじまります。

集まった本の中から3冊を指さしで選び、
テーマ本と合わせて4冊。

【十二感覚論】ルドルフ・シュタイナー
【身体知】三砂ちづる・内田樹 共著
【先生はえらい】内田樹 著
【母になるまでに大切にしたい33のこと】
吉村正・島袋信子 共著

偶然開いたページを1人が音読し、その内容について論議していきます。
ここからは、それぞれの本の主旨とみんなの所感の一部です。長いですが、今のあなた自身と重なり合い、響くおはなしがあるかもしれません。お時間のゆるすかぎり、お付き合いくださいね。(その場では、ほんとうにあっという間の時間なのです。文字にするとどうしても小難しくなっちゃうのですが、わからないところは聞きあったり、?が浮かんだままとりあえず進めて、あとから合点がいったり、お茶を飲んだり、猫さんの襲来にあったり。楽しいですよ。笑)

 

はじめにテーマ本【十二感覚論】ルドルフ・シュタイナー 著

○主旨指先の感覚が最も優れているのは偶然ではない。目は一部、触覚は全部を把握する。大人は自分自身の周りをさぐれる→外側から一つの綴じた全体として確認できる。赤ちゃんはできないが、2~3歳でできるようになる。母子の触れ合い、良質なおもちゃ遊び、子ども同士の遊び、この遊びを通して獲得する感覚である。自分で自分のことはくすぐれない。単純で日常的な事柄の全てには、非常に意味深い背景がある。日常的な事柄、その背景を隔てない、のが『人智学』

●みんなの所感・自分で自分をくすぐっても、くすぐったくない!当たり前だけど改めて認識した。・自分ではくすぐれない、という言葉が宙に浮かんでいて、どんな風に自分の日常に現れてくるかなーというところです。・3歳の娘は「わたしの!」と所有を主張するようになったが、まだお友だちと「分ける」ことはむずかしい段階。子どもの「成長過程に応じた学び」が必要だけど、今の学校教育では「年齢」に応じてどんどん学びを進ませていく。このセンテンスがリンクするね。

 

【身体知】三砂ちづる・内田樹 共著(対談)「カラダの知は数えられるか」より

○主旨「大施設からパーソナルへ」三砂:何事もパーソナルへ。生まれる、死ぬ、病気etc 北欧は昔は大きな施設を作っていたが、今はパーソナルのケア、サポートを充実させている。しかし日本はその逆の流れだ。集団保育にも問題。皆一緒に、まとめてトイレへ。個人の感覚のものなのに。

「家に他人が入る事を受け止める力」内田:家事をアウトソーシング(家の中にお手伝いさんを入れる等)するには、細かい気づかいをしなければいけないから、難しい。人間的成熟していなければ、受け入れできない。家の中に他人が行き来できる環境、とても大事。三砂:自分が開かれてないと人を受け入れることは出来ない。出産で良い経験をした人は社会性が高まる例がある。

●みんなの所感・学校がそもそも「全体の教育」。主体はどこにあるのか。その主体について、木のくに、シュタイナー、サドベリー、フィンランドの教育の話をしました。・自分の身体の声(おしっこしたい、お腹すいた、知りたい)に鈍感になるよね。まわりと同じ、同調を求めるのは管理のひとつ。行き過ぎた先に個人の幸せ(知識欲も含めた欲求の満足)はおざなりになっていくね。・前日に見た映画「ハッピーアイランド」にも共通するテーマでびっくり。都市部は完全に経済破たんし不信が募るギリシアだけど、長寿の島の住人は「他者との助け合いと関わり」の中で生き、その結果、幸福度も高く、長寿なのには理由がある。この映画の中で、他者を受け入れられない若者は、この島で「暮らす」ことに非常に苦労して苦痛そうだったけど、受け入れた後の変化たるやすごいもの。読書会の前の「雪かきワーク」でも「お互いさま」っていいなぁ、と思ったばかりでした。

【先生はえらい】内田樹 著「なんでも根源的に考える」より

○主旨学ぶ側の主体性とは何か「自分は正しい」という前提からは「学び」は存在しない。ところで、「学ぶ」と「話し合う」は同じ?違う?生徒:「学ぶ」は先生から情報が流れてくるもので、「話し合う」は対等なものたちが思っていることをそのまま言うことだから違う先生:ほんとにそう言い切れるかな?(根源的に問いかけ、考えさせる)「話し合う」は相手が存在するから、おそらく思ったことをそのままは言っていないはず。例えば「将来どうする」と聞かれたら、先生、友達、親、それぞれに言うことが変わってくる。わたしたちが自分自身を語るときは、相手にどう思われたいのか、どんな関係性を築いていきたいのか、絶えず配慮しながら語っている。

●みんなの所感・内田樹さんの本は少し難しいね!笑・関係性、によって問いへの答えが変わるって、あるね。よく思われたいだとか、あえて反社会的に見られたいだとか、集団の中で目立ちたい、もそうかも。「この前と言ってることが違うな」「ころころ意見が変わるな」「嘘をついているのか」ではないことがわかると、受け止め方が変わりそう。続きを読みたい。

 

【母になるまでに大切にしたい33のこと】吉村正・島袋信子 共著「お産は文化」より

○主旨お産はその人の生き方が表れる。江戸に開花した女性が主体、お産婆さんが取り上げるお産現代のお産は人間が残された自然の最後の営み命の本質を学ぶ場がない
●みんなの所感
・先ほどの本と繋がったねー!
・既出の三砂ちづるさんも世界のお産をリサーチして、女性性や家族の在り方を論じていますが、お産は文化って本当にその通りだなと感じます。受身ではなく、主体性を持ったお産。病院分娩室のお産とは全く別物だよね。ここでも主体性というワードが繋がったね。

そう話していると
にぎやかに、ひと家族登場しました。
お仕事は、なんと助産師さん。
(ひゃー、つながるねー!)

いま、漫画になって話題を集めている

【君たちはどう生きるのか】吉野源三郎著

そして、それの現代版ともいえる

【ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた】高橋源一郎著

その二冊を紹介してくれたのですが、その紹介が、まっこと素晴らしくて、すぐに読みたくなりました。

Earth Fierdのメンバーは、なんとおすすめ上手が多いこと。
押しつけがましくなく、その気にさせる
これもひとつのプラスのエネルギー。

気持ちのよい、雪のあとの日のことでした。

レポートは以上ですが終わった直後に書いた短い文章がこの会の本質をあらわしているんじゃないかと思いましたのでこちらにも載せさせていただきます。

石川県の小学校は公立約200、国立1、私立1。シュタイナーや自由学校はなく小さな学校の統廃合は止まりません。

しかしわたしは選択肢、の前に意思の問題だと思っていて考えたい、意思を持って決めたい それをおざなりにしたくない。

選ぶ先がないのなら「じゃ、小学校、つくろう」そのスタート地点に、立ったところ。
その立ち位置からの視点で世界を、自分を見てみるんだ。

読書会は、大人のための会。
(子どものためでもあるよ)子どもの教育を考えるには大人の軸をしなやか〜に共通の認識を持っておきたいもんね。

選んだページの言葉をとらえて吸いとってその後の話が止まらない。笑

大好きな人たちとの、よい時間♡
大人にとって、ここの集まりがすでに学校のよう

娘は若猫におののきそして、焼芋2本たべた

【12月読書会~人間の歴史・地球の歴史】

12月9日(土)
参加、会員3名、会員外1名。3ヵ月の子猫一匹。

今日もたくさんの本が集まり、その中から読みたい本を全員で指さして、指が多いものから読んでいくいつものやり方。

 ひとつめ。ギッシリのペンギンがこっちを向いているというインパクトある表紙の大きな写真集、そのタイトルも「環境破壊図鑑」。

5年生の息子さんの現在のお気に入りだそう。パッと開いて読んだのは「ムカシトカゲ」のぺ―ジでした。

 ニュージーランドにイギリス人が入植したとき持ち込んだ外来種その他の影響で、200年前に絶滅したと思われていたのが、2008年突如見つかった。

2億年だったか6000年だったか前から続く種で、名はトカゲだが、全く別の系統の爬虫類とのこと。恐竜の生き残り?カッコイイ姿。

遊び盛りの子猫かずやさんは本をおもちゃとすっかり思っているのかコロリンとページの上に転がる。
ムカシトカゲは300g~1kgとのこと、同じくらいの大きさだね・・・。

この写真集の副題は、「僕たちがつくる地球の未来」。

「地雷を踏んだ象」と「地雷を踏んだ人間」が並べられたページなど、美しくて迫力ある「野生」の生き物たちが「僕たちがつくってる現在の地球」でどのような姿になっているのか。今わたしたちはどんな地球の未来を創ろうとしてるのか。を写しだす。

写真の美しさ・迫力は、大自然に生きる可愛いカッコイイ動物を紹介する写真集と何らかわらない。
紹介文は事実を淡々と伝える。
この写真を見て、キミはどんな未来を想像する?
この写真を見てるあなた、あなたこそ、この現在と未来に対して何かができるんだよ。。。と、読者が目覚めてくれるのを願っているような写真集でした。

 「同時代の生き物」でなく、何億年も前から続いている生き物のページが出て来たことで、自分たち人間のいる位置、のようなことを考えました。

最近、「あらえびす」の東出さんから「もののけ姫」に秘められた室町時代までの日本の歴史のことを聞いたり、前々回の読書会で紹介された日本中世史家の網野善彦さんの本を読んだりして、アースフィールドでは歴史をどう学んでいくかを考えています。
その人間の歴史の底には、地球の歴史があるということ。

ふたつめ。「魂の扉ー12感覚」。第一回から継続して少しずつ読み進んでいる本。第四回目の今日は12感覚の第一、「触覚」の続きを数ページ。


触覚だけの生き物になったことを想像してみよう。
その時、触覚は私たちに外の世界のことは何も伝えない。

わかるのは、自分の「境界」だけなのだ・・・。
この「境界」を赤ちゃんはどう体験しているのか?
この身体の「境界」の感覚が、
後に精神の「自我」(=他者)の感覚になると感覚論は伝えています。

赤ちゃんのおくるみや足まで覆う抱っこひもの「覆い」はその「境界」の感覚を育てるもの。

ならば10歳の男の子には何をしてあげられるのかな?
学校に行っていないお子さんを持つ友人が必要以上に厚い毛布でくるんでいて外しどきがわからなくなっている気がする・・・など、身近な話もでました。

私が今年の夏、アントロポゾフィー医学の皮膚科の先生の講座で体験した小さなワークを紹介しました。自分の両手を合わせて、「境界」を感じとってみます・・・。これ、読書会に参加しなかった人も、やってみてください。
どんな感じがしますか・・・?

 宇宙(母体)と一体だったところから一人離れて。
再び、そこに戻ろうとする・・・そこに境界がある。
そのプロセスを音読していると(この本は私が音読しました)、聴いている人がそのことを想像し体験している空気がとても伝わってきます。
この本を、読書会で一緒に読むことの意味深さを感じました。
触覚については、まだまだ来月も続きます。

みっつめ。「ゲーテ的世界観の認識論要項(シュタイナー著)」。
ゲーテ。自然を人間の外のものとして見て色を分類するニュートン的な自然科学でなく、外にも内にも自然を持つ人間として「観察」する自然科学。

読んだページは「無機的自然」。
その後に「有機的自然」の項が続く。

一段落音読を聞いたけれど、最初の一文からチンプンカンプン。

ドイツ語の文の組み立てで書かれたものを日本語に直すとそれだけでかなり「難しく」感じる文章になるのでシュタイナーの著作は難解と言われるのですが。
それは「わかろう」とするからなのであって。

あらためて、一文いちぶん、何のこと言ってるのか、ちょうどその時飲んでいた「カップに入ったお湯」を例にしながら、こんなこと言ってるのかな・・・と読み進んでみました。

読み終わり、

「・・・・って言うのが無機的自然ってこと?」

と、理解したことをまとめたくなってしまう。

でも、それを禁欲して。

今読んだときの私たちの理解のプロセス、わかったこと、わからないけどこうじゃないかな?と自分たちで合意したこと、

その読んだプロセスを確認して終わりました。

「観察し」、「考える」。

無意識に自分の先入観で

「こういうもの」

と繫げて自明の事実としてしまっているようなを注意深く避けて、
ただ「観察する」ことで、事がらのほうから秘密をうちあける。

と、シュタイナーはよく本の中で言っています。

そのことを少しみんなと体験でき、普段「考えてる」と思ってるのとは違う歩みを、たどたどしく歩んでみた、赤ちゃんが歩き始めて数歩 歩いたときのような 満足感がありました。

 最後に、「ヨーガ・スートラ」。

パッと開いたのは「煩悩」のぺージ。この内容や、先のゲーテの認識論の続きで、人と出逢うときの先入観の話にもなりました。


 毎月、読書会を積み重ねていく。

とても地味な集まりだけど、

参加者の多い少ないに関わらず、場というものは育ち、深まっていくみたいです。

いつかカタチに成る学校の、大切で、はっきり捉えようもない核のところを温めている。

そんな静かな確かな感覚があります。

読書会、次回も第二土曜日、1月13日。
場所と時間もいつもと同じ、10~12時津端の日水花にて、参加費500円です。

さて、12月はあと2回クラスがあります!!

23日(土)
Earth Fieldクラス 「いろ・ことば」
午前10時~12時 会場:長土塀交流館

クリスマスのお祭り
午後15時45分~16時45分  会場:Life Community MEGLI

読書会

夏に初めての合宿を終えて、
これからアースフィールドをどのように構築していくか・・・・と話し合った結果、
毎月第2土曜に集まって、『読書会』をしよう!ということになりました。

学校を創ろう!
社会を創ろう!
という仲間が集い、行ってきました読書会。

他にもこんな想いを抱く方もいるのでは・・・・?
ということで、初めましての方も大歓迎♪

興味のある方、どうぞ!!!お越しくださいませ♪

アースフィールドが創りたい学校って?

子どもの個性が輝く学校
「つながり」を喜べる学校
いのちを大切にする学校
……

どんな学校を創りたい?っていう問いは、どんな風に生きていきたい?と同じ。

みんなの大事にしていることを、大事なアースフィールドの仲間で、読書会という形で共有してみよう✨

大事にしている本を一冊持って、その日集合した人たちで一緒に読んでみると、誰かにとっては今まで知りたかった答えがもらえたり、気になっていた問いがまざまざと現れてきたり。
全体では、重要な部分の共通認識を確認することができたり、テーマが見つかって掘り進めることができたり。

読書会は、その日集まった人も本も偶然のようで偶然でない、必然に思えるような時間です。

子どもたちは子どもたちで、遊んだり協力したり喧嘩したり、短時間のうちに関係性を築いています。

アースフィールドにご興味を持ってくださっている方、初めての方もご参加いただけます。
お気軽にお越しください^ – ^🌸

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◎日時:11/11(土) 10時〜12時(受付9:45)

◎場所:日水花
石川県河北郡津幡町上野ル151-1
(倶利伽羅駅から徒歩13分)

◎持ち物:大事にしている本、学校づくり、社会づくりをするにあたって紹介したい本 (たくさんもってきても、持って来なくてもOK!)

◎参加費:500円

◎お申込み:イベントページの参加ボタン+コメントか、下記のメールアドレスまでご連絡ください。
お子様といらっしゃる方はその旨もお伝えくださいますようお願いします。
earthfield.ishikawa☆gmail.com
(☆を@にかえて送信してください)